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Zatsugaku Museum
交通−鉄道全般
Traffic - Railroad in general
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「鉄道」とはいうけども……
「『鉄道』という言葉を聞いて、あなたはどんな交通機関を思い浮かべますか?」と聞かれれば、多くの人が「おかしなことを聞く。鉄のレール2本で、あっちこっち走っているやつ、早い話が電車だろ。それ以外にどう答えろとのだ」といった解答になることと思います。しかし、一口に「鉄道」とはいえ実にいろいろな形態の交通機関を指し示します。
確かに狭い意味での鉄道は、「2本のレールの上を車両が走る乗り物」となりますが、広い意味での鉄道となるとかなり範囲が広がります。
運輸省が監修している「鉄道要覧」という日本全国の鉄道路線が載っている本があるのですが、これを聞いてみると、「こんなものまで、鉄道になるのかぁー」と驚くようなものまで載っています。
「普通鉄道」、「鋼索鉄道」、「懸垂式鉄道」、「跨座式鉄道」、「案内軌条式鉄道」、「無軌道電車」、そして「軌道」に「普通索道」、「特殊索道」がこの広い意味での「鉄道」に分類されるものです。こうやって並べてみても、難しい漢字の列ですから、なんのことだからわからないという人の方が多いことと思いますので、もう少し詳しく取り上げます。
「普通鉄道」とは、いわゆるレールの上を走る私達になじみ深い鉄道。「鋼索鉄道」とは、早い話がケーブルカー。「懸垂式鉄道」とは上にあるレールに釣り下がるモノレール。「跨座式鉄道」は、レールをまたぐ形のモノレール。「案内軌条式鉄道」とは、いわゆる「新交通システム」のことで、ゴムタイヤ式乗り物で、「ゆりかもめ」や「ニュートラム」、「ポートライナー」などのこと。「無軌道電車」とは、「トロリーバス」のことで、空中にある電線から電気を集めて走るバスのことです。そして、これらの鉄道で道路上を走るものが「軌道」と呼ばれるもので、代表的な「路面電車」の他に、道路上を走る「モノレール」、道路下を走る「地下鉄」といったものがこれにあたります。また、「普通索道」とはロープウェイ、ゴンドラリフトなど。「特殊索道」とはスキーリフトなどです。
いやはや、本当にいろいろあるものです。スキー場のリフトまで「鉄道」だなんて、意外だったのではなかったでしょうか。
レールの幅はいろいろと
鉄道のレールの幅はいろいろとあるということをご存じでしょうか。我が国では、だいたい2種類レール幅が採用されています。1つは世界標準の標準軌(広軌ということもあります)と呼ばれるレール幅で1435mmのもの、もう1つは1067mmの狭軌と呼ばれるものです。1435mmの標準軌は、主に新幹線や大都市の大手私鉄の一部、路面電車などで使われており、もう1つの1067mmのレール幅というのは、JRの在来線やその他私鉄で使われています。
レール幅というのは基本的に、広ければ広いほど、幅が広い車両を製造でき、高速で運転しても安定した走行が出来るという特性を持ちます。つまり、1067mmのJR在来線に比べて、1435mmの新幹線や大手私鉄の方が、一般に車両を大型化しやすく、高速走行に適しているといえるわけです。これは、300km/hで走行し3+2のシート配置になっている新幹線の列車がよい見本になっているといえるでしょう。
では、なぜJRの在来線はスピードアップに不便で、車両が小さくなってしまうにもかかわらず、世界標準の1435mmのレール幅でなく、1067mmというレール幅が採用されているのでしょうか。実は、初めて日本に鉄道が敷かれる時に招かれたイギリス人技師の「日本は山地が多く、レールを敷く土地を広く取ると、山での工事が難しくなる。それにアジアの小国であるので、将来の輸送量もそれほど増加しないであろう。したがって、レール幅は少々狭い方が良いだろう。」と、いう判断によるものなのです。結局、それが採用されため、途中でレール幅を変えて各線間での直通運転をしないわけにもいかず(全線を標準軌へと変えようと鉄道技師達が計画を進めたこともありますが、結局国鉄上部、政治家によってつぶされたとか……)、現在までこのレール幅が採用され続けているのです。一方、標準軌を採用している大手私鉄の大半は他に競争相手があり、少しでもスピードアップをするため、新幹線はもちろん高速での運行のために標準軌となっています(新幹線への標準軌採用に関しては、各方面よりいろいろと反対があり、技術者達が懸命に説得したというエピソードがあります)。
なお、我が国には他に762mmのレール幅があったり、世界には1676mm、1668mm、1600mm、1524mm、1000mm、900mmがあったりします。
列車は行く行く、川の下
東海道本線は、大阪より西、芦屋駅、住吉駅付近にはちょっと面白いところを列車が走っています。このことは列車に乗って車窓を眺めている限り、なかなか気が付かなく、一度駅に降りその場所に行って初めて気付くことです。実は、この2つの駅の近くには川が流れており、その川は線路の上に流れているのです。右がその川です。この写真を見る限りごくごく普通の川ですが、この川の下に線路が走っているのです。列車からではそんな雰囲気がしないので、現地に行ってびっくりというわけです。芦屋川も住吉川も、いわゆる天井川といわれる周辺の平地より川底が高い川なので、このような奇妙な光景が展開されているのです。
今宮駅の数奇な運命
大阪の南、天王寺からほど近いところに「今宮」と言う駅があるのですが、この駅にはちょっと面白いエピソードがあります。
元々この駅は、「関西鉄道」という私鉄によって建てられた駅で、後に国有化され関西本線の駅となっていました。この駅に運命の転機が訪れるのは、昭和36(1961)年のことです。この年は西九条−天王寺間が開通し、現在の大阪環状線の路線が全通した年なのですが、これによって新今宮駅が開業したため、今宮−新今宮間の駅間が短くなってしまったのです。当時は、もちろんこの路線を経営していたのは国鉄ですから、今のJRとは考え方が相当違っていたのでしょう。このために昭和41(1961)年に「今宮駅」は廃止が決定されてしまったのです。今宮駅は存在の危機にさらされたのです。しかし、「捨てる神あれば拾う神あり」、その後国鉄内で意見が別れたのか、廃止を目前にして急遽廃止は延期、さらに昭和42(1962)年5月10日には廃止自体が廃案になり、どうにか生き延びることが出来たのです。
その後、時は昭和から平成へ。駅の管理するのも、国鉄からJR西日本へと移りしばらくした平成9(1997)年3月8日、再びこの駅に転機が訪れます。一度、廃止されかけたこの駅に、今度は大阪環状線の列車も停車することになったのです。
どこかのご老人の話ではありませんが、長い生きはするもんですね。
数100円、数100kmの旅
東京や大阪、福岡に在住の方は良くご存知かもしれませんが、東京、大阪、福岡の3都市には「大都市近郊区間」というものが設定されています。これは、「その区間内であれば、運賃はどんなに遠回りしても、最短の駅間計算する」というもので、本来は、どこかで不通になっても、他路線経由で、移動できるように設定されているものです。具体的には、東京の場合、東京から神田への運賃は、山手線内回り利用が最短ですので、この駅間で計算し120円となりますが、実際に乗車するのは東京→神田とルートであっても、東京→田町→品川→大崎→渋谷→新宿→池袋→田端→上野→神田という山手線逆回りルートでもいいということなのです。つまり、うまくこのルールを使えば、100円ちょっとの料金で数100kmにも及ぶ大旅行が可能となるわけです。ただし、気を付けないと不正乗車となりかねませんので、注意してください。注意点としては、第1に「大都市近郊区間を出てはいけない(大都市近郊区間は、約1000円の大型時刻表−営業案内【普通はピンク色になっています】に載っています)」、第2に「途中下車をすることはできない」、第3に「同じ路線を重複して乗車することはできない」ということです。以上の点さえクリアーすれば大旅行が可能ですので、何もすることがないようなときは、実行してみてはいかがでしょうか。なお、もう1度書いておきますが、1歩間違うと不正乗車になってしまいますから、良く注意して下さい。また、大丈夫かどうか、どうしても不安な方は、実行前に駅員さんに聞いておくことをお薦めします。ちなみに以下に、私が考えてみたモデルコースへのリンクを用意しておきます。
●近郊旅行モデルコース
駅長さんは2人いる!?
その駅の代表者は駅長さんですから、普通に考えれば1つの駅に付き、駅長さんは1人だけのはずです。ところが、世の中必ずといっていいほど例外というものは存在するもので、実は駅長さんが2人もいるという駅も存在しています。具体的には、「東京」、「新大阪」、「博多」といった駅が駅長さんが2人もいる駅です。この駅の名前を見て、「あれ?」と思われた方はなかなか鋭いです。そう、これらの駅は在来線と新幹線が接続している駅であり、在来線の所属鉄道会社と新幹線の所属会社が異なっているのです。したがって、在来線の駅長さんはJR○○の人、新幹線の駅長さんはJR××の人となっており、この他にも、在来線の切符はJR○○、新幹線の切符はJR××の人が販売していたり、それぞれの会社の旅行代理店が入居していたりします。思わぬ、国鉄民営化効果ということなのです。
最高速度を制限するもの
現在の在来線特急の最高速度で、一番速いものは130km/hです。実は、これ以上の速度を出すことが技術的には可能ですが、ある条件のためこの速度が限界となっています。その条件とは、「非常ブレーキをかけた際、600m以内(目で見ることができる限界の距離)で停車できること」というものです。これは、運輸省によって定められているルールで、現在のところ600m以内で止まる速度が、130km/hということなのです。ただし、これは特殊な在来線(青函トンネル・全線高架・全線踏み切りなしといった路線)や新幹線では、非常ブレーキをかけて停車する事態が起らないということで、これ以上のスピードで走行しています。
ちなみにこの「600mルール」、自動車の運転手の立場で見れば、600m以内で列車がフルスピードで迫っており踏み切りでエンストした場合、早く逃げないとひかれるということになります・・・・・・。
けっこう物騒!駅物語
ちまたでは「鉄道員」なる映画が上映されていましたが、昔の駅員さんは今と異なった苦労があったようで、それもどちらかといえば物騒なものです。具体的には、炭坑町の駅では、貨車の手配が間に合わなくて、「貨車を山にまわさんか!!」と、炭坑の関係者が怒鳴り込んできて、場合によっては猟銃を脅しで数発発砲、それが駅員さんの宿舎に命中といったことや、アメリカ軍が進駐して基地関係の駅では、なかなか駅に到着しないことにしびれを切らした兵隊さんが、駅の電球を的にして発砲、あたりは突然真っ暗にと、いった感じです。今では、確実にトップニュースになってしまうこういったことも、当時では日常茶飯時とまではいかなくとも、さほど珍しいことではなかったそうです。また、今のように自動化がなされていなかったため、ポイントの切り替え、信号の操作、タブレットの受け渡し(これがないと列車は運行できなかった)の作業で、駅を走りまわる必要もあり、体力面での苦労も相当なものでした。もちろん、こういった苦労は、今でも形の違いはあれども、いろいろとあることでしょう。それでは、最後に駅員さんのご苦労に対して、「駅員さん、ご苦労様です。」
「青春旅行」、してますか?
みなさんは「青春18きっぷ」という切符をご存知でしょうか。一般の人たちにも比較的良く知られている切符ですが、具体的にいうと、春・夏・冬の長期休暇時に販売される切符で、普通列車に限って1日乗り放題が5回でき、11500円で売られています。1回あたりが、2300円となり、1人で5日使っても、5人で1日使っても良く、時間はかかりますが、かなり安い旅費で遠くへと行くことができます。なお、名前が「青春18きっぷ」となっているため、18歳の人や若い人しか使えないと思っておられる方もいらっしゃるようですが、年齢等の制限はなく(したがって、小人割引はありません)、誰でも利用することができます。実際、利用期間中、若い人だけでなく、一般の家族連れ、ご年輩の方々が利用されて旅行をしている姿を見かけます。私が旅をしての見て感じる利用状況としては、春は気候が良く、休みが短いため、「青春18きっぷ」の利用者で幹線(特に、幹線区間を長距離行く快速列車)が大変込み合い、ご年輩の方々の姿を多く見かけることができます。また、夏は休みの期間が長く、暑いため、主に10代から20代の若い人の利用者が多く、やや分散傾向にあり、冬は出かけるのには寒く、休みの期間も長くはないので3シーズンの中で一番少なくなっています。
さて、ここまで読んでこられた方の中には、「実際に利用して旅行してみたい」と思った方もおられるでしょうから、この「青春18きっぷ」の注意点を挙げておきます。まず第1に、普通列車しか利用できないということです。急行列車や特急列車、もちろん新幹線は利用できません。もし利用したい場合は、各種特急券と利用区間の乗車券が別に必要となります。また、普通列車であっても、グリーン車の場合は、特急のときと同じで、グリーン車券だけでなく利用区間の乗車券も別に必要となりますので、ここを良く覚えておいて下さい。なお、ここでいう「普通列車」とは、「各駅停車」のほかに、「ムーンライト」、「快速」、「新快速」、「通勤快速」などの各種快速列車も含みます。第2に利用期間の1日とは、日付が変わって最初に停車する駅までで、午後10時から利用した場合などは、利用可能時間が大変短くなり、普通に切符を買った際とさほど変わらない(場合によっては高くなります)ことになりますので、ご注意下さい。さらに、1回でも利用すると残りの返金はできなく、返金は未使用場合に限られていますので、これも考慮しておいて下さい。そして最後は、決して無理はなさらないことです。長く列車に乗ることは思いのほか疲れますので(好きな人はともかく、あまり利用しない人は特にです)、初めから長期の利用はせず、少しずつ利用時間を延ばしていくのがいいでしょう。慣れてしまえば10日ぐらい平気(?)です。コツは、いかに車窓とうまく付き合うかです。ただボーと眺めるのもいいですが、いろいろと観察して、自分なりに「どうしてそうなんだろうか」と考えてみると意外な発見があり、きっと、旅がもっと楽しくなりますよ。そうそう、私の「青春18きっぷ」での旅行記を、館長の旅行レポートに載せていますので、よろしければ合わせてご利用下さい。
それでは、いい旅を……。
MAXスピードの違いは、考え方の違いです
世界で最も早いスピード記録を持っている列車は、515km/hを出したフランスの「TGV」です(リニアモーターカーは従来の鉄道とは大きく違うためここでは除きます)。これは確かな事実ですが、ちょっとしたからくりがあります。と、いうのもこの記録、少々強引に作られているからです。具体的には、使用電圧を通常の25kVより高い29kVとし、その上車輪を記録用に履き替えさせて、多少の無理を列車にさせて運行した上のものなのです。いかにも、誇りが高いフランス人らしいやり方だと思いませんか?一方、我が日本では、スピード記録のために特別に変更を加えることはなく、十分に余裕がある範囲で実験を行っています。ですから、もしもフランスと同じような方法で実験をすれば、新しいスピード記録を作り出させているかもしれないのです。しかし、それを敢えてやらないところが、武士道精神、または職人気質のある、日本人の技術屋さんらしさというところでしょうか。
こういったところでも、その国の「お国柄」が出るのは面白いものです。
長い歌です。鉄道唱歌
みなさんは「鉄道唱歌(正式名称は地理教育鉄道唱歌)」という歌をご存知でしょうか。最近、TV等で時々取り上げられることがあるので、それなりに知っているとは思いますが、「汽〜笛〜、一声〜、新橋を〜♪」というフレーズで始まる明治33(1900)年に作られた歌がそれで、凄い特徴を持っています。
では、この「鉄道唱歌」、いったい何が凄いのかというと、その歌の長さと歌集の売上部数です。「東海道編」から始まり、「山陽・九州編」、「奥州線・磐城線編」、「北陸編」、「関西・参宮・南海各線編」とこの歌は続いていくのですが、「東海道編」だけでも66番まで歌詞があり、5編すべてを合わせると、何と334番まであるという代物で、もし全歌詞をカラオケで歌おうものなら、2時間ぐらい時間がかかり、声が枯れること請け合いでしょう。そして、この歌を収めた歌集は初めはさほど売れませんでしたが、その後のキャンペーンが成功し、2000万部もの売上を弾き出したのです。今との違いはいろいろとあるでしょうが、とてつもないヒット曲だったのです。ただし、本当に特筆すべきは点は、その歌詞にあり、明治時代の世相や各地の名所の勉強に実になります。私などは、小中学校の授業に是非とも取り入れて欲しい、と思うほどです。
ちなみに、似たようなもので、「新鉄道唱歌」、「電車唱歌」、「新幹線の歌」と、いったものもあります。
東京−パリを結べ!!
戦前、とてつもなく壮大な計画がありました。「弾丸列車」という計画がそれです。この「弾丸列車」とは、東京−大阪−下関を結び、下関より海底トンネルにて朝鮮までを結んだ上、そのまま大陸を通って、フランスはパリまでを結ぶという何とも壮大かつ、無謀ともいえる計画でしたが、当時の政府は本気で考えていたそうです。これが、のちの新幹線へとつながり、現在に至っています。
現在でも、実現はかなり難しい計画ですが、それでも案外21世紀には青函トンネルのように実現して、「東京−パリ、豪華列車で行く旅」なんてものが、旅行代理店の棚に並ぶようになっているかもしれませんね。
ややこしい、正式区間
何でも、正式だとか、正装だとかいったものは堅苦しく、ややこしいものです。もちろん、鉄道路線もその例に漏れません。多くの路線は通称=正式名ですが、瀬戸大橋線、山手線、京浜東北線などの路線では通称と正式名称が異なり、ややこしいことになっています。具体的には、瀬戸大橋線は岡山−茶屋町間が宇野線、茶屋町−坂出間が本四備讃線、山手線は品川−東京間が東海道本線、東京−田端間が東北本線、残りの田端−品川間が山手線となります。そして京浜東北線に至っては、横浜−東京間が東海道本線、東京−大宮間が東北本線と正式にはなり、正式には存在しない路線となっています。これは基本的に、同一区間を結ぶ路線が複数ある場合でも、正式名称は1つしか付けることができないという規則のためで、通称ではわかりやすい路線でも、正式にはわかりにくいということがあるのです。
さて、当館の「鉄道写真館」では、今のところこういったややこしい路線というものはありませんが、今後を考えるとどう扱うか、頭が痛い限りです。
使われることなく廃線になった路線たち
人が何かを作るということは、あたりまえですが完成後にそれを使おうとするからです。ですが、ときどきその原則が破られてしまうことがあります。ちょうど鉄道路線がそれにあたります。
鉄道の路線というものは、道路に比べてその性質上、勾配を緩やかにしカーブも緩めにする必要があります。つまりこれは、工事にしっかりとした計画が必要であり、完成までにどうしても時間がかかってしまうということを示します。ですから、その間に社会環境が変化し、当初の輸送目的がなくなってしまうことも十分にありえるということになります。実際、そのために九州・北海道の路線の中には、1度も列車が走ることなく廃止になってしまったものもいくつか存在しているのです。これは主に、炭坑の閉山や交通の中心が自動車に移ってしまった、というのが理由です。路線計画の段階で、このようなことは予測できなかったということは、20世紀がまさに激動の時代であったということの表れではないでしょうか。
こうした使われることなく廃線に追い込まれた路線たちは、大半は取り壊されていますが、一部そのまま残っているところもあります。そういった場面を見かけるとき、「激しかった20世紀という時代」、「スピードの時代」が、本当に正しかったのかどうか考えさせられます。
恐ろしいほど安全な日本の鉄道
日本の鉄道は世界でも有数の技術レベルであり、運行も実に正確です。(1分以内の誤差でほとんど、発着するのですからとんでもないです。世界の中には1時間ぐらい平気で遅れる国がざらにあるのですから)ですが、特にすばらしいのはその安全性でしょう。1日に何100万人もの人を、国内のありとあらゆる場所に運びながら、ほとんど無事故なのです。分かりやすいように例を挙げると、東京−大阪間を自動車(高速道路)と飛行機と東海道新幹線の事故の割合を考えてみましょう。新幹線はここ数10年で死亡事故は0。飛行機は、何回か落ちて数100人の死亡事故。自動車は年間数1000人の死亡事故ということになります。これをみれば一目瞭然ですよね。実に恐ろしいほどの安全性です。
「鉄道マンに脱帽!」と、いったところですね。
運転席の謎のベル
列車の運転席の近くにいて、駅の到着前に奇妙なベルの音を聞いたことはありませんか。これは、ATSと呼ばせるシステムの動作音なんです。
ATSとはAutomaticTrainStop(自動列車停止装置)の略語で、運転士の信号無視による事故を防ぐために、旧国鉄により開発されたシステムです。信号機の前で作動し、運転士が規定のスピードまで減速をし、ATS確認スイッチを押さないと、自動的に列車を停止させるようになっているのです。ちなみに、この確認作業が終わると、ベルの音がジリジリーンからチャッカチャッカというような音に変わるようになっています。今度列車に乗るときにでも確かめて下さい。
なお、現在このシステムをいっそう進めたものであるATC【AutomaticTrainControl】(自動列車制御装置の略語です【AirTrafficContorol-[航空交通管制]とは違います】)といったものが新幹線や都心部の在来線の一部で使用されています。
おらが村に来た妖怪! その名は陸蒸気(おかじょうき)
タイトルを見ただけでは、今の人では意味が分からないかもしれませんが、実はこれ鉄道のことなんです。今でこそ、自分たちの町や村に鉄道が通り、駅が出来ることは町や村の発展に役立つということで、かなりの歓迎を受けます。ですが、文明開化間もない明治時代では、鉄道が通るということで、地元の住人により根強い反対を受けるいったことが度々ありました。その主な理由は、町では、鉄道が通ることでの騒音、町が鉄道によって分断される、鉄道によって交通の流れが変わって町が寂れる(特に宿場町など)といったことで、村では、鉄道によって農地が削られる、家畜が列車に驚いて暴れる、蒸気機関車からの火花で火事になる、若い者が町へと行ってろくに仕事をしなくなる、駅に降りる町の娘に見とれて若い者の仕事が手に着かなくなるといったものでした。今では、笑ってしまうような理由もありますが、現在とは社会環境が異なっており、また教育の浸透もそれほどではなかったので、このようなことは当時としては仕方のなかったことなんです。
さて、この結果どうなったかといえば、答えは簡単。民家、農地を避けて鉄道を通すというものでした。実際、明治時代につくられた路線は、そのころの町の中心部から離れてつくられていたり、駅が周りに何もないようなところにつくられたりしています。また、通ることになっていた町を、反対運動により計画変更をし、通さないようにするといったこともありました。
今、考えればおしいことをしたわけで、そういった場所は、後の時代で再開発や誘致運動が行われるといったこともよくあったようです。それにしても、新しいものを見極めるというのは難しいものです。
廃線の旅、それは私たちを過去へと導くパスポート
今、非常に静かにブームになっているものに、廃線の旅があります。これは、廃線になった鉄道の跡をたどるというもので、かなり地味な旅です。実際、これを聞いた人の中には、「いったいそれのどこが楽しいのだろう?」と、疑問を持つ方もおられるでしょう。ですが、これが非常に味わい深く、わびさびといったものがあるんです。また、一口に廃線といっても路線ごとに、廃線理由、現在の状態に特徴があり、例えば廃線理由は、新線の開通(長野行き新幹線の開通によっての、横川−軽井沢間の廃止、京都の地下鉄開業による、京阪鉄道の路面路線廃線がこれに当たります)によって、交通の中心が自動車に変わった(1970年以降の鉄道路線廃止の主要因です)ので、鉱山が閉山になったため(特に、炭田地域周辺の廃止鉄道がこれです)といったようなもので、現在の状態も、そのまま放置、自転車道・道路に、鉄道記念館にとさまざまな具合になっています。
そして廃線の旅は、私たちを過ぎ去った過去へと導いてくれます。それは、今よりは確かに貧しいけれども、今の日本にないものがあった頃、そんな時代へとです。廃線はきっとあなたの周りにもあります。週末に、ちょっと出かけてみてはいかがでしょうか?言葉では言い表せられない、何かが発見できるはずです。
第1種に、第2、第3種。鉄道会社にだって種別はある
普通の鉄道会社は、列車も線路も自分の会社で所有しています。ですが、中には変わった運営をしている鉄道会社もあり、列車だけをもって他の会社の路線で運転を行う鉄道会社(JR貨物など)。その逆で路線を建設し路線を他の鉄道会社に売り渡したり、貸したりして列車は自分の会社で運転せず、他の会社に運転させる鉄道会社がそれにあたります(神戸にある神戸高速鉄道や鉄道建設公団等)。そして、その運営の方法によって種別が決められていて、1番最初に書いた最も一般的な運営の鉄道会社を第1種鉄道事業、2番目のものが第2種鉄道事業、最後のものが第3種鉄道事業と「鉄道事業法」で定められています。
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